存在の確定
例えば、あなたがもし、あなた以外の人間の居ない島で生まれ、育ち、老い、息絶えたのであれば、誰があなたの存在を証明するのだろう。
それはあなたが『存在しなかった』のと同意だ。
我々の属する社会では産まれたときに「出生届」を提出し、死ねば「死亡届」を出すまでの期間が『生存』と認められる。
しかし、その社会の決まりが無かった場合はどうだろう。
誰かがその出生を認め、また誰かがその死亡を認めなければ、その人は『生まれ』もしないし『死に』もしない。
私達は自分以外の相手が居て、初めて自分を確定できるのだ。
そして、それは あなたが出会った人の数だけ存在する。
つまり、あなたが出会った人の数だけの『あなた』が存在するのだ。
-人は他人と出会う度に、生まれる-